Japanese
English
研究と報告
2世代でパーキンソン病2例,うつ病1例が発生した1家系
A Family with Two Cases of Parkinsonism and One Case of Depression in Two Generations
田口 冠蔵
1
,
渡辺 昌祐
1
,
中島 良彦
1
,
大月 三郎
1
Kanzo Taguchi
1
,
Shosuke Watanabe
1
,
Yoshihiko Nakashima
1
,
Saburo Otsuki
1
1岡山大学医学部神経精神医学教室
1Dept. of Neuro-Psychiatry, Okayama Univ. Medical School
pp.861-867
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202064
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I.はじめに
最近の病態生化学的研究によると,パーキンソン病およびうつ病は,脳のモノアミン代謝障害が同伴する点で共通した因子を持っていることが立証されている。すなわち両疾患では,中枢神経組織中のカテコールアミンおよびインドールアミンの減少が報告されており,またそれらの所見にもとづいて,アミン前駆物質であるL-DOPAあるいはL-5-HTP(L-5-ヒドロキシトリプトファン)によるパーキンソン病およびうつ病の治療が実際に行なわれ,効果をあげている。これらの点から,パーキンソン病とうつ病は共通の病態生化学的基磐を持つ異なった表現(臨床)型と考えることも可能である。
今回われわれは,2世代でパーキンソン病2例,うつ病1例が発生した1家系を発見し,3例ともL-DOPA治療を行なうと同時に,両疾患の関連性について2〜3の考察を行なったので,ここに報告する。
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