Japanese
English
短報
ImipramineとTriiodothyronine併用療法が有効であった遷延性うつ病の1例
An Effective Case of Protracted Depression with Triiodothyronine and Imipramine
江原 嵩
1
,
大月 三郎
1
,
鈴木 信也
2
Takashi Ebara
1
,
Saburo Otsuki
1
,
Shinya Suzuki
2
1岡山大学医学部神経精神医学教室
2岡山大学医学部第3内科教室
1Dept. of Neuropsychiatry, School of Medicine, Okayama University
2The 3rd Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Okayama University
pp.437-439
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202472
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I.はじめに
甲状腺機能低下症に伴って分裂病様症状1,2)や抑うつ症状3)が出現することは周知のことであるが,一方,うつ病時における甲状腺機能については大部分の報告では正常範囲内にあるが4〜7),一部では低下6)もしくは亢進する症例4)も報告されている。近年,甲状腺機能低下を顕著に認めえない遷延性うつ病に対し甲状腺ホルモン剤と三環系抗うつ薬を併用し,その精神症状が著明に改善されたとの報告が数多く見られるようになった6〜10)。
このたび各種抗うつ薬や抗精神病薬に反応を示し難く長期間の抑うつ状態を経過した遷延性うつ病に対して,甲状腺ホルモン剤(triiodothyronine,以下T3と略記する)と三環系抗うつ薬imipramineの併用が劇的な精神症状の改善を来したので,その経過と特に甲状腺機能検査について報告する。
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