Japanese
English
研究と報告
チョウセンアサガオの種子による集団中毒について
Mass Poisoning Induced by Seeds of Datura Stramonium L.
切替 辰哉
1
,
三田 俊夫
1
,
岡本 康太郎
1
,
矢島 英雄
1
,
江村 州
1
,
佐藤 敬司
1
1岩手医科大学神経精神利学教室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Iwate Medical University
キーワード:
Mass posisoning
,
Datura Stramonium L.
,
Central anticholinergic syndrome
Keyword:
Mass posisoning
,
Datura Stramonium L.
,
Central anticholinergic syndrome
pp.715-721
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203440
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抄録 1977年,われわれは臨床場面において某高校生13名がヨウシュチョウセンアサガオ(Datura Stramonium L.)の種子を服用し,急性中毒を呈した症例を経験した。偶然,その急性中毒の一連の経過すなわち症状発生から予後までを観察し得たので,症例を中心として報告したい。
精神症状は,傾眠傾向に続く興奮,注意集中困難,せん妄,失見当識,健忘,記銘力障害を呈した。
身体症状は,口渇,鼻閉,ねむ気,倦怠感を自覚症状とし,瞳孔散大,頻脈,強直性けいれんを他覚所見として認めた。
以上の精神症状および身体症状は,記憶障害,不明瞭な言語,嗜眠,運動障害,困惑,失見当識,不快感,幻視,幻聴,注意集中力の減退などを特徴とする,抗コリン剤投与時にみられるcentral anticholinergic syndromeに相当するものと考察された。
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