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1970年7月から1971年8月まで,著者はカナダのバンクーバー市British Columbia大学小児精神科でレジデントとして臨床訓練を受ける機会を得たが,当地でのpostgraduateのclinical trainingprogrammeが,それまでにわが国の大学病院やその他の総合病院などで得たもののどれよりも充実しており,しかも当市での地域精神医療が(とくに地域小児精神医療が)大学や市中病院での病院精神医学と,きわめて自然に有機的に結びつき合って,この分野の作業が全市をあげて整然と行なわれているようすが,これからの小児精神医療のみならず一般精神医療のめざす,一つの典型的な具体的方向のようにも思えるので,当地で同時に行なわれている若い精神科医,とくに小児精神科医を臨床訓練する方法とあわせて紹介したい。
University of British Columbia(UBC)のDepartment of Psychiatryには1年生から4年生まで合わせて36人のpsychiatric residentsがいたが,そのうちDivision of Child Psychiatryには,著者を含めて5人のchild psychiatric residentsがいた。36人のレジデントは大学構内のDepartment of Psychiatryの別称でもあるthe University Health Sciences Centre Hospital(HSCH)を中心に,バンクーバー市内外のいくつかの総合病院や精神病院に分かれて臨床訓練を受け,後述するような特別なconferenceやlecture,seminarには,それぞれ定められたプログラムに従ってHSCHに集まった。著者ら5人の小児精神科レジデントのうち,2人がHSCHに,残りの3人が8kmくらい離れた市の中心にあるVancouver General Hospital(VGH)に所属し,著者は後者に配属された。
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