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C.P.C. 松沢病院臨床病理検討会記録・10
罹患後22年の日本脳炎後遺症—日脳後遺症の臨床的,脳波的,ならびに病理学的特徴について
Residues of a Japanese β Encephalitis Case, 22 Years after Affliction
石井 毅
1
,
吉田 哲雄
1
,
松下 正明
1
,
竹中 星郎
1
,
広田 伊蘇夫
2
Tsuyoshi Ishii
1
,
Tetsuo Yoshida
1
,
Masaaki Matsushita
1
,
Hoshiro Takenaka
1
,
Isoo Hirota
2
1都立松沢病院神経病理研究室
2都立松沢病院脳波研究室
1Laboratory of Neuropathology, Matsuzawa Hospital
2Laboratory of Electroencephalography, Matsuzawa Hospital
pp.761-766
発行日 1972年8月15日
Published Date 1972/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201926
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I.まえがき
慢性の日本脳炎後遺症に関する知見は,臨床的ならびに病理学的研究により近年次第に明らかになってきている。しかし,臨床症状と病理所見の相関については,臨床予後追跡の困難,剖検の稀なため,限られた情報しか得られていない。
報告する症例は日脳罹患後22年を経過した例で,長期間松沢病院で臨床的に観察されたのち死亡し,病理学的に検索された。種々検討の結果,臨床症状,脳波所見,病理学所見のいずれにも,ある程度日脳独得と思われる所見が浮かび上がってきた。しかも,これら所見は全体として視床の病変に関連するごとく思われる。その意味でこの症例は日脳後遺症の研究に新しい展望を与えるであろう。
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