特集 社会のなかの精神科医
特集にあたって
加藤 正明
1
Masaaki Kato
1
1国立精神衛生研究所
1National Institute of Mental Health
pp.990-994
発行日 1970年12月15日
Published Date 1970/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201681
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はじめに
この特集が企画された経緯からまず説明する必要があると思われる。このテーマが特集として取り上げられるべきであるという提案がなされたのは,既刊の「社会精神医学(懸田・加藤編)」の批判を契機に,「社会精神医学研究会」を開催したことからであった。筆者はこの「社会精神医学」が全体として一つの思想なり方法論なりで貫かれていないこと,それが現在ではきわめて困難であったことをつよく反省しているし,それはいわば,「社会精神医学論叢」とでもいうべきものだったと思っている。したがって,できれば,この出版を機会に「社会精神医学研究」といった雑誌が年1回でも2回でも出せないものだろうかという念頭をもち続けてきた。
このことは「社会精神医学研究会」でもだされたのであるが,それをまず,本誌の特集といったかたちで試してみてはどうかという編集室側の忠告が,今回の試みとなったわけである。
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