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特集 精神分裂病の診断基準—とくに“Praecoxgefühl”について
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
分裂病診断における患者の自己像の把握
An Approach to Understand Patient's Self-image in the Diagnosis of Schizophrenia
加藤 正明
1
,
目黒 克己
1
,
山上 竜太郎
2
Masaaki Kato
1
,
Katsumi Meguro
1
,
Ryutaro Yamagami
2
1国立精神衛生研究所
2国立国府台病院
1National Institute of Mental Health
2National Konodai Hosp.
pp.104-107
発行日 1967年2月15日
Published Date 1967/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201150
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I.はじめに
分裂病診断における症候学的な診断者間の差については,すでに十数年前に精神病理懇話会においてシンポジウムとしてとりあげられ,そのさい井村教授から分裂病診断にあたつて,症候学的な診断の差以外の“X factar”の重要性が指摘されたが,それがまさにPraecoxgefühlの問題であつた。その後,分裂病境界例や器質的脳疾患における分裂病像などをめぐつて,症候論的な差異,とくにcontactの問題などが議論された。さらに,診断者側の面接時におけるempathic understandingの程度を客観的に測定し,個人差や状況差を比較検討しようとする研究が注目され,本日も日大の木戸氏から,ポリグラフによる研究が発表されている。
われわれは今回,患者の面接時の状態をビデオ・テレビジョン(以下V. D. とする)にとり,このV. D. 観察と直接面接とのさいの患者理解の程度を比較するため,100項目の質問から構成されるQソートをもちい,患者自身の自己像と診断者による患者の自己像の判断とを比較検討しようとこころみた1)。
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