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特集 社会のなかの精神科医
臨床と公衆衛生と衛生行政との接点から—保健所への技術援助活動を中心に
On my Experience of Daily Contact with Clinical Psychiatry, Public Health and Sanitary Adrninistration: Acting Research on Consultation Work for Health Center
佐々木 雄司
1
Yuji Sasaki
1
1東京都立精神衛生センター梅ケ丘分室
1Umegaoka Branch, Tokyo Metropolitan Mental Health Center
pp.995-1002
発行日 1970年12月15日
Published Date 1970/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201682
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I.はじめに
本特集号の1章を与えていただいたが,あまりにも多岐にわたる日常業務と膨大な資料のなかから,一体どこに焦点をあてるべきか迷いに迷った。結局,今回は"研究論文"はあきらめ,文献展望なども一切べつな機会にゆずり,精神衛生センター勤務4年間の私の個人的体験を,主に対保健所活動にしぼり,感慨を交えつつきわめて素朴に記述することとした。
この体験は,私にとって,大学生活・病院生活のいずれともまったく異質な困惑・希望・怒り・絶望のカオスであった。おそらく,大多数の精神科医にとって理解に苦しむであろうこうした領域を,少しでも理解していただくことが,"地域精神衛生活動"推進と私自身の精神衛生保持に役立つと考えられる。換言すれば,この小論は東京都の精神衛生活動の全貌を体系的に述べようと志したものではない。一精神科医が,予備知識も心構えもなしに,公衆衛生や衛生行政との接点に真剣に立ったときの深刻な悩みの病歴である。
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