Japanese
English
総説
失読と失書
Alexias and agraphias
鳥居 方策
1
Hosaku Torii
1
1金沢医科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kanazawa Medical University
pp.531-546
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204947
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はじめに
失読も失書も脳病変の結果として生ずる書字言語の障害である。失読にも失書にも種々の亜型があり,しかもそれぞれが合併する他の神経心理学的症状によつてさまざまに彩色されるので,その程度や特徴は必ずしも画一的なものではない。たとえば,漢字・仮名問題についても,各亜型に共通する一定の傾向があるかのように論じられる反面,症例間のばらつきは決して小さなものではない。
失読についても失書についても,成因,発現機序,分類,症候論,臨床病理学,精神病理学,治療ないしリハビリテ療ションなど,論ずべき問題は極めて多いのであるが,ここではいくつかの事項に限定せざるをえない。また,問題点の選択が筆者の興味に左右されてかなりの偏りを示すかも知れない。
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