Japanese
English
研究と報告
精神病者の自殺への力動的接近—治療者-患者関係を中心とした症例検討を通じて
A Dynamic Approach to the Suicide by Psychotics
吉川 武彦
1
,
矢野 徹
1
,
米沢 照夫
2
,
亀井 清安
3
Takehiko Kikkawa
1
,
Toru Yano
1
,
Teruo Yonezawa
2
,
Kiyoyasu Kamei
3
1千葉大学医学部神経科
2国立精神衛生研究所
3榛名病院
1Dept. of Neuropsychiat., Chiba Univ. School of Med.
2National Institute of Mental Health
3Haruna Hosp.
pp.876-882
発行日 1968年11月15日
Published Date 1968/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201402
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
自殺の研究はわが国においても年々さかんになり,その研究方向もさまざまに分化しつつある。加藤5)は文献的考察と自験例に基づき自殺の研究の総体的な方向づけを示唆した。大原ら6)はこの研究方法をさらに発展させ,膨大な資料をよく整理し可視的にわれわれに示した。
しかし,これらの貴重な研究のなかにあつても精神病者の自殺の問題はややもすると偏在的な扱いを受けてきたといわざるをえない。われわれは,自殺のなかでも精神病者の自殺に焦点を合わせ,すでに報告8)したように精神病院入院中の自殺につき,とくに治療者—患者関係とそれをとりまく家族の問題をめぐり研究を進めてきた。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.