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特集 症例徹底!糖尿病患者の心理
Ⅰ症例徹底!
心理的関係の力動性
Psychodynamic between Diabetic Patient and Comedical
皆藤 章
1
1京都大学大学院教育学研究科
キーワード:
①心理的関係
,
②患者-医師関係
,
③患者-看護師関係
Keyword:
①心理的関係
,
②患者-医師関係
,
③患者-看護師関係
pp.291-295
発行日 2011年5月15日
Published Date 2011/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101187
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◆「治す人」と「治される人」ではカテゴライズできない糖尿病
まず,抽象的なテーマですが,「治療関係」というものについて考えてみると,医療においては,「治す人」と「治される人」との関係ということになると考えられます.昔ほどではないにしても,現代でも「治療者」と「患者」という関係は歴然と存在していて,「治療者」は「治す人」,「患者」は「治される人」ということは至極当たり前のことと言えます.
しかし,糖尿病の治療関係を考えてみると,事情が変わってきます.糖尿病が「完全治癒を望めない病である」という意味では,患者は「不治の病を抱える人」であると言え,治療者と患者の「治し治される関係」とは異なった医療の目的・目標が設定される必要があるということになります.つまり,「患者の自己管理・コントロール」の場合は,治し治される関係以外の要因があるということであり,「この人をわれわれ治療者はどうしたらいいのだろうか」という考えとは異なる発想が求められてくるということです.たとえば,それは「患者さんの血糖コントロールが良好になるためにはわれわれはいかに関わればいいのだろうか」といった要因が治療関係に入ってくるということを意味しています.
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