Japanese
English
研究と報告
一卵性双生児の1人に初発した集団ヒステリーについて
A Report of Epidemic Hysteria Induced by a Hysterical Attack in One of Monozygotic Twins
島薗 安雄
1
,
中村 剛
1
,
刑部 侃
1
,
岡部 健一郎
2
,
下出 幸栄
3
Yasuo Shimazono
1
,
Tsuyoshi Nakamura
1
,
Tsuyoshi Gyoubu
1
,
Kenichiro Okabe
2
,
Sachie Shimoda
3
1金沢大学医学部神経精神医学教室
2細木病院精神科
3金沢大学法文学部心理学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Kanazawa Univ. School of Medicine
2Dept. of Neuropsychiat., Hosoki Hosp.
3Dept. of Psychol., Kanazawa Univ.
pp.691-698
発行日 1968年9月15日
Published Date 1968/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201377
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Ⅰ.まえがき
1964年春,高知県山間僻村の某中学校が行なつた修学旅行を契機として,生徒の間に全身の強直性けいれん発作が集団発生した。この発作はその後種々の機会に集団的あるいは散発的に起こる一方,つぎつぎと伝染する傾向を示した。このため地域住民の間では伝染性の奇病が発生したと考えられ,当時村全体が強い不安に包まれていたのである。
われわれは1965年6月以来,この疾患について数回の調査と臨床的検索を行ない,それらが心因性の発作であることをすでに明らかにした9)。
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