Japanese
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研究と報告
児童チックの治療についての研究—入院治療について
The Study of Treatment of Tics in Children.: On the Treatment in Hospital
若林 慎一郎
1
,
梅垣 弘
2
Shinichiro Wakabayashi
1
,
Hiroshi Umegaki
2
1日本福祉大学
2名古屋大学精神医学教室
1Japan Social Welfare College (Nihon Fukushi Daigaku)
2Dept. of Psychiat., Nagoya Univ.
pp.653-658
発行日 1968年8月15日
Published Date 1968/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201373
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Ⅰ.序
Kanner4)は,チックはけつして動機なしには起こらない。幸福で安定した子どもにはチックは生じないものである。チックは子どもがこうむる感情緊張と密接な関連を有し,また,チックの発生は親の厳格さや,子どもに対する不承認からかもし出される一般的緊張状態と密接な関連があると述べている。そして,児童における非器質性チックは,一般に心因性のものと考えられている。
ところで,児童チックのなかには,症状が比較的単純かつかるく,なおりやすいものもあるが,精神科外来を訪れるもののなかには,症状が多彩かつ重篤で,きわめてなおりにくいものがある。名古屋大学児童精神科外来に受診した重症児童チックのうち,3例について入院治療を行なったので,その経験にもとづいて,児童チックの治療について考察をこころみた。
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