Japanese
English
研究と報告
児童チックの集計的資料について
On the statistical data of tics in childhood.
堀 要
1
,
若林 慎一郎
1
,
石井 高明
1
,
富田 順
1
K. Hori
1
,
S. Wakabayashi
1
,
T. Ishii
1
,
N. Tomita
1
1名古屋大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiat., School of Med., Nagoya Univ.
pp.889-893
発行日 1963年11月15日
Published Date 1963/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200632
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I.はじめに
児童精神科外来において,チックは学童期を中心にして多数みられる症状の1つである。
昭和35・36年の2年間に名古屋大学医学部精神科外来を訪れた19歳未満の患者総数2,302名のうち,その主問題が神経症的とみなされるものが468名(20.3%)であつた。その内訳は第1図のごとくで,チックは468名中67名(14.3%)であつた。
このように児童精神科外来におけるチックの占める比重は大きい。
ところでチックに関しては,従来少なからざる研究が行なわれ,その定義,病因,治療について種々論議がなされてきたが1)2),まだ決定的結論には到達していないように思われる。今後さらに発展的な研究,解明が期待されているのが現状である。そこで本稿においては,概括的基礎的資料として,児童精神科外来におけるチックの集計的資料をまとめ検討を加えてみたい。
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