Japanese
English
研究と報告
物語をもちいたテスト—分裂病者の反応
Story Test: A New Method of Psychometry Utilizing A Series of Short Stories: With Special Consideration to the Repetitive Responses by Schizophrenics
野上 芳美
1
,
浅川 和夫
1
,
布施 雄一郎
1
,
山口 隆
1
,
矢野 鎮夫
1
,
石川 隆子
1
Yoshimi Nogami
1
,
Kazuo Asakawa
1
,
Yuichiro Fuse
1
,
Takashi Yamaguchi
1
,
Shizuo Yano
1
,
Ryuko Ishikawa
1
1日本大学医学部精神神経科学教室
1Dept. of Neuropsychiat., Nihon Univ, School of Med.
pp.285-289
発行日 1968年4月15日
Published Date 1968/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201315
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われわれは被験者に物語を聞かせて復唱せしめ,その反応を文脈と語句との各水準で評価採点するというテスト法を用いて,分裂病30例,境界例14例,神経症27例および正常対照17名につき調査し以下の結果を得た。
(1)文脈および語句のいずれの評価においても正常群と神経症群の間には差は認められない。
(2)分裂病群は文脈および語句のいずれの評価においても正常群および神経症群に比して有意な差で低得点を示す。
(3)語句を単に事象を示すものと,情動を表現するものとに分けて検討すると,分裂病群は後者において特異的に不良の成績を示し,その傾向はとくに微妙・複雑な情動を表現した語句において明白である。
(4)以上の結果でとくに,分裂病群の低得点について強調し,その機制について若干の考察を行なつた。
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