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特集 創造と表現の病理
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
Ⅱ部・病跡
ヴァジニア・ウルフ
Virginia Woolf
神谷 美恵子
1
Miyeko Kamiya
1
1長島愛生園精神科
1Dept. of Psychiatry, Nagashima Aiseien National Leprasarium
pp.339-345
発行日 1967年5月15日
Published Date 1967/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201195
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I.はじめに
20世紀前半の西欧文学史において顕著な現象の一つは,いわゆる“意識の流れ”を克明に描き出そうとする小説が,いくつも現われたことであつた16)。この新作風の有力な推進者としてProustやJoyceらとともに世界的に認められているのがVirginia Woolf(1882〜1941)である。
彼女の人と作品についての研究は内外に多数あるが,それはほとんどすべて文学的見地からのものであつて,この作家に精神障害があつたらしいことは,生前から憶測されていたにもかかわらず,病跡的研究は,筆者の知るかぎり,まだ行なわれていない。
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