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特集 宗教と精神医学
第63回日本精神神経学会総会シンポジウ厶
宗教事象の社会精神医学的研究—教団成立を支えるもの
The Social-Psychiatric Study of Religious movement in Japan
藤沢 敏雄
1
,
佐々木 雄司
1
,
小野 泰博
1
,
菅又 淳
1
,
秋元 波留夫
1
T. Fujisawa
1
,
Y. Sasaki
1
,
Y. Ono
1
,
J. Sugamata
1
,
H. Akimoto
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiat., School of Med., Tokyo Univ.
pp.928-932
発行日 1966年11月15日
Published Date 1966/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201101
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I.はじめに
前回の総会で,宗教集団の「病気なおし」が神経症群に対していちじるしい効果をあげていることと,身体疾患をもつ者についても,その生活態度を積極化させることなどを報告した。
敗戦後のanomieの状態で,無数の宗教集団が爆発的に誕生したことは,まだ記憶に新しいことである。現在は,一見当時と情況を異にしているとはいえ,いまだに原始的でshamanisticな集団や,shamanisticな色彩を強く残しながら教理の確立をはかり,既成教団化しつつある集団に,よりどころを求める民衆はあとをたたない。この種の問題については,すでに社会学や宗教学の立場での研究に多くの成果をみているが,今回の報告は,こうした宗教集団のもたらす「救い」や「生きがい」の意味をその心理機制について検討しようというものである。
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