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研究と報告
某新宗教S教団における信仰と病理
The Faith and Psychopathology of Believers of a New Religious Denomination S
大宮司 信
1
Makoto Daiguji
1
1北海道大医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, Hokkaido University School of Medicine
pp.1079-1084
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202999
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I.はじめに
種々の精神疾患の症状増悪時には,宗教的色彩をおびた症状がしばしば経験される。一方,各種の宗教ないし教団の信者が何らかの精神疾患に罹患した場合,精神症状中にその教団の信仰内容あるいは信仰との葛藤が出現し,その検索が精神症状のより深い理解の一助となることが少なくない。
S教団(仮称)は昭和34年に立教され,20年を経た比較的若い新宗教脚注1)であるが,信者数約60万人を有し,現在なお教勢の拡大をみている。著者は臨床的にS教団と種々の面で関連を認める症例を経験し,さらに本教団の信仰内容に関して調査する機会が与えられたので,若干の考察を加えて報告する。
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