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特集 地域精神医学—その理論と実践
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
一特定地区の社会精神医学的研究—精神衛生管理的側面からの問題を中心に
Social Psychiatric Suruey of Inhabitants in a Japanese Traditional Slum "Buraku"
高木 隆郎
1
,
木村 昭彦
1
R. Takagi
1
,
A. Kimura
1
1京都大学医学部精神医学教室
1Dept. of Neuro-psychiat., Faculty of Med., Kyoto Univ.
pp.807-812
発行日 1966年10月15日
Published Date 1966/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201076
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I.はじめに
昭和38年度厚生省「精神障害者実態調査」は,精神障害者の社会的,経済的背景の問題として,地域・社会階層の違いにより有病率に有意差のあることを指摘している。いうまでもなく,同様の指摘はH. W. DunhamおよびT. Faris(1938)をはじめ,Hollingshead(1958),Srole(1962)らによつてもなされ,いわゆる下層階級に精神障害者の多いことが注目されている。
われわれは,その貧困層の集団的居住地としての1スラムを対象としながら,今後貧困仮説の信ぴよう性の問題,さらには漂着仮説をも含め,低所得者層の精神障害の問題を検討していくつもりだが,今回は第1報として,その精神衛生管理的観点からの問題点を中心に発表したい。
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