特集 戦後30年の公衆衛生と私
健康にかかわる社会的側面を追って
相澤 龍
1
1長崎造船大学建築学科
pp.534-535
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205423
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主題は「戦後30年の公衆衛生と私」であるが,少しく戦前の私の研究歴にふれる.私が衛生学(公衆衛生学講座の開設は戦後)を志して戸田正三先生の門を訪れたのは,京大卒業の秋(昭12)であった.当時の衛生学教室では全国的規模で国民の衣住生活の実態調査が始められていて,住宅問題が私の研究の最初の歩みとなった,目標の一つは,住居衛生学的にみた日本住宅の特質を地域別,したがって気候帯別に比較検討すること,他方では地域別(都市農漁村別),生活程度別に就寝密度,居住密度の実態の解明,そこから住居の広さの適正基準を求めることにあった.そして昭和14年の夏と冬には北支の住宅調査となり,中国大陸の気候風土とそこでの住生活の実態を学ぶことになった.しかし昭和15年春の応召入隊で,私の研究生活は中断を余儀なくされた.
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