特集 食品衛生行政
食品衛生の化学的側面における問題点について
細貝 祐太郎
1
1女子栄養大学食品衛生学
pp.410-414
発行日 1977年6月15日
Published Date 1977/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205399
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はじめに
近年発生した種々の食品汚染は,わが国のみならず諸外国でも,程度の差こそあれ共通なものが多い.
わが国においては,プラスチック製食品容器から塩ビモノマー,BHT,ホルムアルデヒド,フタル酸エステルなどの溶出,ニトロソアミン,ベンッピレン,マイコトキシンなどの発ガン性物質,タール色素,AF2などの添加物,水銀,カドミウム,ヒ素,鉛などの有害元素,残留農薬,さらにはPCB,中性洗剤などによって種々の食品衛生上の問題が発生した.これらの問題はいずれも,食品衛生領域の中でも化学的な面が多いが,勿論,それ以外の真菌などの微生物面あるいは医学的,生化学的な種々の分野も包含する広範囲のものである.
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