Japanese
English
研究と報告
機能変遷と破局反応
Funktionswandel und Katastrophreaktion
越賀 一雄
1
,
浅野 楢一
1
,
今道 裕之
1
,
西浦 信博
1
,
松田 良一
1
K. Koshika
1
,
T. Asano
1
,
H. Imamichi
1
,
N. Nishiura
1
,
R. Matsuda
1
1大阪医科大学神経科
1Dept. of Neuro-psychiat., Osaka Medical College
pp.1061-1065
発行日 1965年12月15日
Published Date 1965/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200937
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以上今回は錯認(Paragnosie)を伴い妄想様症状を活発に呈した失認,とくに図形失認の患者,つぎに運動性失語を示す症例,さらに典型的な井村教授のいう語義失語患者の3例について,それぞれ病巣症状の大略を述べ,機能変遷と破局反応との関係について報告し,両者が平行関係にあること,換言すれば,機能変遷を呈する症例では患者は容易に破局におちいり,破局反応を呈しない症例では機能変遷も認められず,問題によつてその機能に変遷を示す愚者は口常生活においても特別な状況におかれるとき,時に破局反応を呈することもあることを指摘した。
さらに各患者の相貌認知の能力,あるいは象徴理解の能力について検討しParaphysiognomisierung,Parasymbolie,Aphysiognomisierung,Asymbolieなどの概念を用いてそれらの所見を説明し,それらの能力が保持されていることが少なくとも患者に漠然としてであつてもなんらかの病感,あるいは病識のたもたれるためのきわめて貢要な要因であることについて簡単にふれた。
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