座談会
中国・ソ連における精神医学
井村 恒郎
1
,
桜井 図南男
2
,
加藤 正明
3
,
岡田 靖雄
4
,
西尾 友三郎
5
,
笠松 章
6
,
林 暲
7
,
三浦 岱栄
8
1日本大学
2九州大学
3国立精神衛生研究所
4都立松沢病院
5鳥山病院
6東京大学
7神経研究所
8慶応大学
pp.950-966
発行日 1965年11月15日
Published Date 1965/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200922
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はじめに
司会(井村) 僣越ながら司会をさせていただきます。なぜ私が司会者に選ばれたのかよくわからないのですけれども,10年ほど前私がソ連圏内の一部にはいつたという,単にそれだけのことらしいんです。それはともかく,今度桜井教授と加藤教授が,それぞれ中国とロシアへ行つてこられました。ソ連の医学,とくに精神医学について私たちはほとんど知らず,書物などで間接的に想像してる程度なので,ぜひ事実を知りたいと思い,今回の座談会を企画したわけです。いろいろ伺いたいことはございますが,その前にまず,どんな目的で,どのくらいの期間,どのように旅行されたかお伺いして,それから本論にはいろうかと思います。桜井先生どうぞ—。
桜井 ご承知のように,いままで,中国には,特別な招待を受けたとかあるいは特別な関係の人しかはいれなかつた。ところが今年になつてから,ある程度外来の客を受けいれるようになり,客国にそれぞれ枠ができたのです。日本は1年間に2,000人という話でしたが,フランスなどは5,000人と多いのです。その枠のなかでお互いに話し合えるような人たちにきてもらいたいということなんです。今度のことは福岡県の福間病院の院長をしている佐々木さんが非常に努力してくれて,その枠を若干とつてくれました。いままで精神医学の人で行つた人はいないということで,わりあいに優先的に枠がとれたものですから,福岡県の精神病院協会長の大村さんが団長をつとめられて,私は顧問ということで出かけたのです。
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