Japanese
English
研究と報告
高校生の自殺企図例
Suicidal Attempts of Youths in High Schools
大原 健士郎
1
,
増野 肇
1
,
松村 幸司
1
K. Ohara
1
,
H. Masino
1
,
K. Matsumura
1
1慈恵会医科大学精神神経科教室
1Dept. of Neurol. & Psychiat., Jikei University School of Med.
pp.784-788
発行日 1965年9月15日
Published Date 1965/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200898
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I.はしがき
未成年者の自殺は各研究分野にわたつて多彩で種々の内容がまざりあつている。この年齢層から自殺者が激増し,日本の自殺の一特徴といわれる青年期の高い自殺率を示すことは周知のとおりである。この年齢では,心理学的にいつても独立と自由を獲得し,人間としての自覚を身につけようとする時期である。しかし,それとともにかれらは大きな孤独と葛藤を経験する。かれらは,人格の完成への途上において,環境的な影響を受けることも多くなるし,生物学的にいつても自殺と関係の深いうつ病を初めとして,精神分裂病,易感性関係妄想,精神病質などの好発時期でもある。かれらの自殺の特徴をつかむため,対象を高校生に限定し,症例を中心として考察してみたいと思う。
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