特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XII.心身症・精神科
1.心身症の診かた
心因性じんま疹
阿部 正
1
1慶大精神神経科
pp.1439-1442
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204342
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心身症—精神的因子が強く作用している疾患—は意外に多いことは,すでに常識になりつつあるが,一般に患者の33%はそうだといわれている.皮膚は人間の身体の外界との境界であるとともに,精神の外界への境でもあり,感情はこの表面に現われやすい.嬉しければ紅潮し,悲しければ蒼白となる.したがって皮膚疾患には心身症が多いのは当然である.じんま疹,脱毛症,いぼ,皮膚炎などのなかでも,じんま疹が精神的影響で生じることはよく知られている.
ある疾患に心因がはたらいていることは,身体的因子が存在しないことを証明するいわゆる除外診断によってではない.アレルギー反応が立派に陽性に出たからといって,心因的因子がはたらいていないとはいえない.
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