Japanese
English
研究と報告
新抗てんかん剤Tegretolの治験—精神障害へのこころみ
Clinical Efficacy of New Anti-epileptic Drug "Tegretol": Influence upon epileptic psychical disturbances
和田 豊治
1
,
福島 裕
1
,
立山 興
1
,
佐々木 仁
1
,
大沢 武志
1
,
佐藤 正敏
1
,
村本 幸栄
1
T. Wada
1
,
Y. Fukushima
1
,
K. Tateyama
1
,
H. Sasaki
1
,
T. Osawa
1
,
M. Sato
1
,
Y. Muramoto
1
1弘前大学医学部神経精神科
1Dept. of Neuropsychiat., School of Med., Hirosaki Univ.
pp.619-623
発行日 1965年7月15日
Published Date 1965/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200874
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
近年,てんかんの薬物治療は種々の新薬の出現によりいちじるしい充実を見せてきている。しかし,それがまだ十分なものではないことはあらためていうまでもないところである。
現在,てんかんの治療において問題となり,また改善が期待されている点は,1)より強力な抗てんかん作用,2)てんかん性精神障害に対する効果,の2点であると考えられる。最近の和田の調査によつても,てんかんの治療にあたつている専門家たちがこの点に問題を感じていることが明らかにされている。とくに,てんかん性精神障害の問題は,従来これに対して有効な抗てんかん剤がなかつたばかりでなく,抗てんかん剤によつて発作が抑制された場合に精神症状が悪化することがあり,治療上大きな困難を感じさせるものであつた。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.