Japanese
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研究と報告
抗てんかん剤Tegretol(G32883)の使用経験
Clinical Experiences with Anti-Epileptic Agents Tegretol
黒沢 良介
1
,
森谷 徹
1
R. Kurosawa
1
,
T. Moritani
1
1三重県立医科大学精神科
1Dept. of Psychiat., Mie Prefectural Medical Collage
pp.625-630
発行日 1965年7月15日
Published Date 1965/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200875
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I.はじめに
新しい抗てんかん剤の開発にさいしては,その薬が従来使用されている薬に比較して,単に代用薬としての作用を示すだけでなく,新しい領域に有効であり,同時に副作用が少なく,長期使用にたえるなどの一般的条件を満足させるものでなければならない。従来抗てんかん剤としてはBarbital,Hydantoin,Oxazolidin,Pyrimidinの各誘導体が用いられている。これらの薬はいずれも抗けいれん作用を有し,てんかん発作抑制に有効であるが,はたして文字どおりの意味で抗てんかん剤といえるかどうか疑問である。また,多くの新薬ができたにかかわらず,なお,発作を抑制することができないいわゆる難治例があり,われわれはつねに新しい抗てんかん剤の出現を期待しているのである。
今回Geigy社が抗うつ剤であるTofranil,Insidonに近い構造をもつTegretol(5-Carbamyl-dibenz(b. f)-azepin)を開発し,藤沢薬品より試供品を提供され,それをてんかん者に試用する機会をえたのでここに報告する。試用してから約10カ月の観察結果である。
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