Japanese
English
研究と報告
神経症患者の統計的観察—とくに薬物療法の推移について
A Study on the Neurotic Outpatients
柴田 洋子
1
,
藤井 健次郎
1
,
金子 耕三
1
,
高橋 圭子
1
,
加藤 能男
1
Y. Shibata
1
,
K. Fujii
1
,
K. Kaneko
1
,
K. Takahashi
1
,
Y. Kato
1
1東邦大学医学部精神神経学教室
1Dept. of Neuropsychiat. School of Med. Toho Univ.
pp.426-434
発行日 1965年5月15日
Published Date 1965/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200851
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昭和33年より5ヵ年にわたる当院神経症患者(外来)について調査し,同じく当院における過去の資料と比較検討のうえ,つぎのような結果を得た。
(1)新しい薬物(主としてC. D. P.)による治療の遠隔成績について検討した結果,治癒率はかならずしも向上してはいない。
(2)神経症患者においては,長く通院している者も,短期間に中止した者も,なんらかの形(ある場合は宗教ないしは自己調整による)で精神療法の効果が主流をなしていることが確認された。
(3)原因となつた葛藤を分析すると,男子では職場関係が,女子では家庭関係が多いという性別特徴がみられた。また概して葛藤の明らかなもののほうが改善傾向が強い。
(4)臨床検査との関連で,脳波に異常を示すものが15.4%あり,診断上の疑議が呈示された。メコリール・テストの結果では,P型においてC. D. P. による改善傾向がやや優位であつた。
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