Japanese
English
研究と報告
新抗てんかん剤Ethosuximideの使用経験
Clinical Experience of Ethosuximide: New Anti Epileptica.
福山 幸夫
1
,
鈴木 昌樹
1
,
丸山 博
1
,
小宮 和彦
1
,
小宮 弘毅
1
,
鴨下 重彦
1
,
鈴木 義之
1
Y. Fukuyama
1
,
M. Suzuki
1
,
H. Maruyama
1
,
K. Komiya
1
,
H. Komiya
1
,
S. Kamoshita
1
,
Y. Suzuki
1
1東京大学医学部小児科学教室
1Dept. of Pediatrics, School of Med., Univ. of Tokyo
pp.168-179
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200809
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.序言
新抗てんかん剤ethosuximideは,琥珀酸イミド系に属する新剤で,Milontin,Celontinとともに,Zimmermanら41〜48)の系統的研究にもとづくものである。すなわちZimmermanらは,従来すでに効果の認められているバルビツール剤,ヒダントイン剤,オキサゾリジン剤,アセチル尿素剤などの化学構造式を比較検討し,これらのすべてにC-N-C-C鎖が共通に存在することに注目した(第1図)。そしてこれを基礎とした種々の薬剤,たとえばピペリジン剤(thiazolidine,furnanacrylamideなど)やcinnanamideを検討したが,これらはいずれも副作用が強く,臨床使用に耐えないことがわかつた。しかし最後に琥珀酸イミド剤は強力な抗けいれん作用を有するうえに毒性も少ない点で有望であることが発見された。琥珀酸イミドの基本分子に系統的に種々の側鎖を付加あるいは置換して検討した結果,Milontin(別名P. M. 334,phensuximide,N-methyl-α-phenylsuccinimide),Celontin(別名P. M. 396,methsuximide,N-methyl-α,α-methylphenyl succinimide)が臨床的に十分使用に耐える抗てんかん剤であることを確かめ,この結果をZimmermanは1951年41),1954年43)にそれぞれ発表した。琥珀酸イミド剤の薬理学的,動物実験的研究はMiller & Long31)(1951),Chenら(19512),19633))のものがある。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.