特集 近接領域からの発言
第52回関東精神神経学会懇話会
内科医の立場から
七条 小次郎
1
1群馬大学内科
pp.14-15
発行日 1964年1月15日
Published Date 1964/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200654
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私先年ヤスパースに会いましたとき,人間の精神を安定せしめるには東洋思想的なものでないとだめで,西洋哲学やキリスト教ではこの役はつとまらないといつた意味の話を聞きました。
私は東洋人でありながら,この人の話で一種の感銘を受けて帰りましたわけですが,たしかに東洋の古代思想の中には人の心に安らかさを与えるものがあるとは思いますが,近来発展をつづける精神安定剤の出現に対して,このような思想をとりいれた方法(たとえば森田療法もその一つと考えますが),というもののもつ意義の将来性ははたしてどんなものかを,興味をもつてながめているものであります。
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