Japanese
English
研究と報告
小視症と大視症の脳波
EEG on Micropsia and Macropsia
八島 祐子
1
,
尾野 成治
1
Y. Yashima
1
,
S. Ono
1
1福島医大神経科
1Dept. of Psychiat., Fukushima Medical College.
pp.629-634
発行日 1963年8月15日
Published Date 1963/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200597
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Ⅰ.はじめに
視覚性異常を伴うてんかん発作にはsensoryseizureに含まれるいわゆるvisual seizureとpsychical seizureに含まれるpsychical hallucinationの2型があるが,とくに私たちは小視および大視症状を発作的に示した症例についてその臨床症状と脳波について検索した。Penfield1)はmicropsia,macropsiaによつて始まる種々のてんかん発作,すなわちautomatism,mastication,respiratoryarrest,convulsionを記載しており,視覚そのものの障害ではなく視覚体験の解釈または知覚の障害であると考えている。青木ら2)は発作性小視症の1例について神経学的および実験心理学的研究を行なつており,また中川3)は視覚性発作の1例を脳波所見と発作の様相から観察している。小視ならびに大視症状について精神分析的見地から種々説明されているが4)5)6),脳波との関連において検索した例は少ない。したがつて私たちはかなり純粋と思われる小視症発作,意識喪失発作の前兆とみられる小視および大視症発作について発作の様相の臨床的観察と脳波所見から検討した。
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