Japanese
English
研究と報告
Cyanamideの使用について
The Use of Cyanamide
植山 喬
1
,
有安 孝義
1
,
岩崎 功三
1
T. Ueyama
1
,
T. Ariyasu
1
,
K. Iwasaki
1
1総武病院
1Sobu Mental Hospital
pp.149-154
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200533
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I.緒言
酒精中毒者の治療剤としてDisulframが一般的に用いられているが,Disulframは種々の不快な副作用を伴なうのでこの点を検討して1956年Fergusonが他のCarbimideの誘導体の使用を主張し,Armstrong,Kerr,BellはCitrated CalciumCarbimide(TemposilまたはDipsan)の使用を推奨し,1960年向笠はCyanamideによる節酒療法をその臨床経験から述べている。このCyanamide(以下Cy. と略称)の抗酒作用はDisulframと同じくAlcoholの酸化過程をAcetaldehydの段階で障碍するが,そのAlcohol反応はDisulframのそれに比して著しく緩和であるとされている。その後Cy. を用いて岡本らはその50mg以上の頓用で断酒的効果があるとし,また米倉らは2週間連続投与後の飲酒試験でその断酒剤的効果を認めているが,その節酒剤的効果はなお検討を要するとしている。
われわれは今回吉富製薬からCy. の1%の水溶液の提供をうけたのでその1回投与によるAlcohol反応を検討した結果,多少の知見を得たのでその成績を発表する。
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