Japanese
English
研究と報告
新抗幻覚剤Rubigenの臨床治験
Clinicai Experience of Rubigen. a New Antihallucinogene
田中 善立
1
,
秋谷 浩
1
,
清水 隆磨
1
,
芦谷 博幸
1
Z. Tanaka
1
,
H. Akiya
1
,
T. Shimizu
1
,
H. Ashiya
1
1Dep. of Neuropsychiatry, Hirosaki University School of Medicine
pp.405-408
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200448
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Ⅰ.まえがき
HallucinogeneまたはPsychosomimeticaによつて誘起された人工精神障害の阻害剤がいわゆる抗幻覚剤(Anti-hallucinogene)である。AzacyclonolすなわちFrenquelは最初,LSD25による人工精神障害の阻害剤として特徴的効果があることがFabing1)により報告された。以来,抗幻覚剤というとFrenquelのことをさすようになつた。最近,さらに特徴的抗幻覚剤として,Phenothiazine系誘導体に属するFluphenazine(Flumezin)があげられよう。このように,特殊症状に対する治療薬の出現が,現在の精神疾患治療学にとつて重要なことではないだろうか。今回,われわれは上述の抗幻覚剤のいずれとも異つた化学構造を有する一新抗幻覚剤Rubigen(Rol-9569 NITOMAN Tetrabenazine)を,弘前大学神経精神科において使用する機会をえた。その臨床治療経験はなお浅いとはいえ,精神科薬物療法2)に一つの進歩をもたらすごとき結果をえたので,つぎにその使用経験のあらましと臨床成績とを報告する。
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