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Montrealの世界精神医学会議において著者は非定型内因性精神病についてのSymposiumで非定型精神病の問題を種々の側面から明らかにする機会をもつた。著者はそのさい,問題の歴史的発展にふれた。この論文はMontrealでの発表に関連はあるが,課題を少し狭くとつてみたい。日本の学者が多くの価値ある業績中に非定型内因性精神病の問題について一般的な見解を詳細に検討しているから,著者はそれにふたたび立ち入る必要はない。著者は著者自身の見解――それは長い間にまたある発展をした――について概観することに制限しようと思う。大部の臨床的,遺伝生物学的研究において著者はそううつ病と分裂病の傍に症候学的,遺伝学的に独立した一連の精神病が存在することを確立しようとこころみた。著者は大部分WernickeとKleistの分類にしたがつているが,著者が“Psychiatrie der Gegenwart”に詳細に発表しているように,いくぶん異つているところもある。
著者によればそううつ病の中には両方の極の症状を示す循環型の傍に,著者が名づけるように,単極の(einpolig)ManieあるいはEuphorieと,単極のMelancholieあるいはDepressionがあることを,著者は提議した。Kleistはそううつ病は一般に,それぞれ独立し,ただ相互にある親和性をもつているうつ病とそう病に分けられるとの意見である。しかし著者の,一部Neeleとともに行なつた研究によれば,遺伝生物学的単位としてのそううつ病が確かに存在し,その傍に遺伝生物学的に独立した単極の形があることが明らかになつた。単極の形は“純粋”の形をあらわす,すなわち,あまり非定型の様相を示さないから,この場合には“非定型精神病”についてのべえない。それゆえ著者はこの疾患群から目を転ずる。一方の側のそううつ病と他方の側の分裂病との間にある形はとくにZykloide PsychosenすなわちMotilitätspsychose,Verwirrtheitspsychose,Angst-Glücks-Psychoseを包括している。
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