研究と報告
精神科領域におけるD206(Timovan)の使用経験
坂本 玲子
1
,
平賀 旗夫
1
1東北大学医学部精神医学教室
pp.921-925
発行日 1961年11月15日
Published Date 1961/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200388
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D206は,N-(3-Dimethylaminopropyl)-Thiophenylpyridylamin塩酸塩の水化物で,中枢および末梢抑制作用を有し,さらに強力な抗ヒスタミン作用,抗アレルギー作用,および耐容性を示すものといわれ構造式は第1図のごとくである。その作用をクロールプロマジンと比較してみるとき,使用上クロールプロマジンと類似しているとはいえ,作用発現時間は速く,副作用は少ないものといわれている。われわれは,最近新自律神経安定剤D206(Timovan)**に関する臨床実験を行ない同剤を投与せる被検者のうちより確実な観察をなしえた29例を選び,若干の知見をえたので報告する。
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