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薬剤の臨床
産婦人科領域に於ける「D206」の使用経験
Use of "D 206" (N-〔3-Dimethilaminopropylp〕-thiophenyl-pyridylamin)
太田 智
1
,
住岡 和雄
1
,
木津 葉三
1
Satoshi Ota
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.758-762
発行日 1960年8月10日
Published Date 1960/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202261
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Ⅰ.緒言
最近麻酔学の急激な発達により,閉鎖循環式吸入麻酔が広範囲に使用され,さらに人工冬眠麻酔,低血圧麻酔等も応用されるようになり,手術中の鎮痛鎮静に関しては一応の解決を見たのであるが,産婦人科領域の手術に関しては手術野の性質上,又その設備の関係上尚広く腰椎麻酔手術が行われており,手術による肉体的精神的不安の除去及術中,術後の鎮痛,鎮痙効果を得る為にわが国においても中枢神経系に作用し強力な鎮痛,鎮静作用及び自律神経遮断作用の強いフェノチアジン系薬剤が前麻酔薬(強化麻酔)として今日広く用いられる様になつた。
又,術後疼痛を始め,種々の疼痛,特に婦人科領域においては悪性腫瘍末期患者の疼痛緩和に用いられる様になり,相当有効な結果が発表されている。
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