Japanese
English
特集 シナプス Ⅱ
MAOについて—とくにMAOとアミンの関係についての組織化学的検討
Histochemical Consideration on the Relationship between Monoamine Oxidase and Biogenic Monamines in the Brain
前田 敏博
1
Toshihiro Maeda
1
1大阪大学医学部高次神経研究施設神経解剖学部門
1Department of Neuroanatomy, Institute of Higher Nervous Activity, Osaka University Medical School
pp.812-820
発行日 1970年3月25日
Published Date 1970/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903085
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
Monoamine oxidase;Monoamine:oxygen oxidoreductase(1,4,3,4)(MAO)は広く脂肪族,芳香族モノアミンを酸化的に脱アミンする酵素であるが,神経系においてはcatecholamine(CA),serotonin(5HT)などのいわゆるbiogenic monoamineを不活性化する酵素として重要視されている。CAの場合にはもう一つの不活性化酵素catechol-o-methyltransferase(2,1,1,6)(COMT)があるが,これがextracelluralに遊離したCAを代謝するのに対し,MAOはintracellularないしintraneuronalなアミンと密接な関係を持つといわれる(Carlsson8))。しかしCOMTの脳内分布に関しては,組織化学的証明法がないので生化学的成績(Axelrod3))以外詳細はわかつていない。一方MAOにはいくつかの組織化学的方法が提出され,Glennerら20)によるtetrazoliurn法が最もすぐれたものとして現在広く用いられている。この方法によつて酵素活性の脳内分布を調べてみると,比較的均一な分布を示すとする生化学的成績(Bogdanskiら7))に似ず,かなり特異的な局在を示し,室傍器,自律性脳部および辺縁系などに強い反応がある(清水ら35),橋本ら21))(図1,2)。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.