Japanese
English
研究と報告
Megimideによる脳波賦活の問題点—第1報 疾患群を中心としての検討
The critical study on the EEG-activating effects of Megimide
藤田 千尋
1
,
柄沢 昭秀
1
,
遠藤 四郎
1
,
川尻 徹
1
,
長谷川 和夫
1
,
高木 垣太郎
1
,
奥田 裕洪
1
,
大原 健士郎
1
,
石川 信一郎
1
,
石井 昌子
1
C. Fujita
1
,
A. Karasawa
1
,
S. Endo
1
,
T. Kawajiri
1
,
K. Hasegawa
1
,
K. Takagi
1
,
Y. Okuda
1
,
K. Ohara
1
,
S. Isikawa
1
,
M. Ishii
1
1慈恵会医科大学精神神経科教室
1Dept. of Neuro-Psychiatry, School of Medicine, Jikei University
pp.533-539
発行日 1960年8月15日
Published Date 1960/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200246
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緒言
Megimide(β-methyl-β-ethyl glutarimide)についてはまずそのbarbiturate antagonistとしての面がShaw,18)Schulman,17)Harris,10)らにより報告されたが,一方これの大量投与が動物にけいれんを惹起し同時に脳波上にはspikeを認めたというSchulman15)らの報告から,さらに本剤の脳波賦活作用についての検討が注目されてきた。Delay,5)Drossopulo6)らはMegimideを脳波賦活に用い,賦活効果はCardiazolと同様だが副作用は少く,脳波の変化が急激でなく,またMegimideによるseizureがspontaneous seizureによく似ていることなどをあげて,Cardiazolよりすぐれていると,結論している。同様の報告はBingle,1)Cohen,2)Coirault,3)Flodmark,7)Green,8)Rodin,16)切替11)和田20)直居13)中井14)富樫19)らによつてなされてきたが,一方Courjon4)らのごとくMegimideが必ずしもCardiazolと同様の効果があるとはかぎらないとのべている者もある。われわれも当初の経験からMegimideが副作用少く使用上便なことを知り,そこでさらに本剤の特徴を明確にしてこれの長所をもつともいかした賦活法を把握したいと考え,疾患群および正常群についてこの問題を検討してきたが,ここに第1報として対象の中心を疾患群においたMegimide賦活について報告する。
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