Japanese
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研究と報告
いわゆる周期性精神病の一治験例
A Case Report of so called "Periodic Psychosis"
松川 清二
1
S. Matukawa
1
1長尾病院
pp.529-531
発行日 1960年8月15日
Published Date 1960/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200245
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Ⅰ.まえがき
内分泌性精神病に対する,ホルモン療法は,当然のことであるが,1896年ごろからKraepelin,Mottらによつて,原因不明の内因性精神病と内分泌腺異常との連関性が指摘され,ついでKretschmerは,ホルモンに影響されやすい体型が,内因性精神病の発現に決定的な意義があると明らかにして以来,精神科領域でのホルモン療法の基礎が不動のものとなつたといわれる1)。
1955年,鳩谷は,非定型的内因性精神病の精神生理学的研究(第Ⅰ報)2),を発表し,さらに昨年その第Ⅱ報3),において,内分泌学的研究を続けており,いわゆる周期性精神病について広く検索し,かつその治療面では,衝撃療法の奏効しなかつた少数例に,その体液病理学的所見にもとづいて,下垂体前葉ホルモン,女性ホルモンなどを用いて治癒せしめたことを発表している。
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