Japanese
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研究と報告
自殺を中心とした青少年の精神衛生学的一考察
A STUDY ON MENTAL HEALTH OF YOUNG PEOPLE FROM THE VIEWPOINT OF SUICIDE
大原 健士郎
1
OHARA KENSHIRO
1
1慈恵医大精神神経科教室
1Dept. of Neuro-Psychiatry, School of Medicine, Jikei University
pp.101-108
発行日 1960年2月15日
Published Date 1960/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200188
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Ⅰ.はしがき
青年層,中でも女性の自殺の激増により,日本の自殺率は世界第1位となり,近年各方面の関心をよぶにいたつたが,その関心をよそに自殺率は今後もなお増加の傾向にある。
とくに15才から29才までの自殺率は高く,その中でも20才から24才までの自殺率は78.4%(昭和31年)で厚生省統計の死因別死亡のトップを占めている。精神衛生の立場からすれば早急にその実態が明らかにされ,予防対策がたてられねばならないのにもかかわらず,従来この分野の研究はごく少数の社会学者,心理学者,精神医学者によつてそれぞれの専門分野からなされてきたにすぎない。しかもその多くは思弁的で,実証的な研究方法を欠くうらみが強い。
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