巻頭言
児童青少年の精神科医療について
稲垣 卓
1
1島根県立湖陵病院
pp.450-451
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203579
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少し前のことになるが,昭和55年8月,河口湖近くの会場で,ブリティッシュ・コロンビア大学林宗義教授の「精神病院と地域精神医療」というお話を聞いた。その時の「日本では子供はどうしているのか,青少年はどうしているだろうか」,「子供や青少年の問題が日本の精神医学からまま子扱いされていると言えるのではないか」という教授の言葉が耳に残り,翌年全国の大学精神科教室と,児童・思春期の人たちの精神医療を行っていると思われる医療機関にアンケートを送って調査を行った。アンケート発送108(うち大学79,病院29)に対して,回収61(大学43,病院18)で,この調査後に得た情報に基づいて多少の修正をした結果は次のようであった。
児童ないし思春期の精神科外来をもっているところは46施設(大学27,総合病院8,精神病院11),うち児童または思春期病棟をもっているところは15(総合病院4,精神病院11),病棟はないが児童または思春期病室をもっているところは5(大学3,総合病院2)であった。ほかに児童のデイケアを行っている施設が2ヵ所あった。
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