「精神医学」への手紙
アメリカ児童精神科医療の一端にふれて―ジョンズホプキンス大学附属病院
高柳 みずほ
1
1有沢橋病院
pp.640-642
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102763
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はじめに
2012年から2013年にかけ計5か月間,ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)附属病院の児童精神科とケネディークリーガー研究所(Kennedy Krieger Institute)でオブザーバーとして臨床見学をする機会を得ました。限られた体験からではありますが,米国の児童精神科の一端をご紹介できればと考え筆を執りました。
ジョンズホプキンス大学は,アメリカ合衆国の東海岸メリーランド州ボルチモアにある総合大学で,附属病院は1889年に創立されました。過去20年以上にわたり全米病院ランキングの1位を(新病院開設のためにいくつかの課題で評価を下げた2012年の2位を除いて)常に維持している全米トップの病院です。
精神科はその正式名称を精神行動科学(The Department of Psychiatry and Behavioral Science)とし,精神生物学説を唱え米国精神医学の祖として有名なAdolf Meyerを初代教授に迎え1913年に開かれました。その中の児童精神医学部門はLeo Kannerを初代教授として1930年に開講されました。Kannerもまた米国児童精神医学の父と呼ばれ,早期幼児自閉症の研究は日本でもよく知られているところです。
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