動き
精神医学研究の新潮流Computational Psychiatry 2013
山下 祐一
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1独立行政法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第七部
pp.270-271
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102680
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2013年10月22,23日,マイアミ(米国)で行われたComputational Psychiatry 2013に参加する機会を得た。本会議はComputational Psychiatry(計算論的精神医学)と銘打った世界最初の国際会議である。研究分野としてはまだ若いが,米国国立精神衛生研究所(NIMH)が提案するResearch Domain Criteria(RDoC)といった精神医学研究の新しい潮流とも密接に関係する重要なトピックであると考えられるため,現地で体感したその動向を報告したい。
計算論的精神医学という言葉は多くの精神科医にとって,耳慣れないと思われる。まず,計算論的精神医学とはどういう研究分野なのかについて簡単に説明したい。脳が外界といかに相互作用し情報を処理しているのか,という情報処理機構としての脳・神経システムの計算原理を探求する研究手法を計算論的アプローチという。計算論的精神医学とは,この手法を精神医学研究に積極的に応用しようという試みであり,近年その重要性の認識が非常に高まりつつある2~4)。
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