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私のカルテから
拒薬を伴うがん終末期のせん妄に対しchlorpromazineを経静脈的に使用した1症例
Intravenous Use of Intramuscular form of Chlorpromazine (Contomin) in a Cancer Case of Terminal Delirium with Drug Refusal: A case report
石川 博康
1
,
髙清水 清治
1
,
横山 直弘
2
,
田中 雄一
2
Hiroyasu ISHIKAWA
1
,
Kiyoharu TAKASHIMIZU
1
,
Naohiro YOKOYAMA
2
,
Yuichi TANAKA
2
1中通総合病院精神科
2中通総合病院消化器外科
1Department of Psychiatry, Nakadori General Hospital, Akita, Japan
2Department of Surgery, Nakadori General Hospital
pp.731-733
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102227
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はじめに
Chlorpromazine(CPZ)はがん終末期の緩和医療において,せん妄,嘔気,呼吸困難などに対しての広い使用法が提唱されている6~8)。欧米では点滴静注を含めて多様なCPZの投与方法が選択できるが,本邦では現在内服と筋注用の製剤しか利用できない。CPZの筋注用の注射剤(コントミン筋注®)は成分組成上経静脈的投与も可能と考えられ,がんの症例において嘔気1)や不穏・不眠・疼痛4)に対して点滴静注で使用された国内報告があるものの,そのような使用は一般的ではなく,精神科医からの報告もない。今回,拒薬を伴うがん終末期のせん妄の症例において,CPZの筋注用の注射剤を点滴静注にて投与し,筋注による痛み侵襲無しに精神症状の治療を行い得た症例を経験したので報告する。
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