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連載 「継往開来」操作的診断の中で見失われがちな,大切な疾病概念や症状の再評価シリーズ【新連載】
仮性痴呆(認知症)
Pseudodementia
前田 潔
1
,
山本 泰司
2
,
長谷川 典子
2
Kiyoshi MAEDA
1
,
Yasuji YAMAMOTO
2
,
Noriko HASEGAWA
2
1神戸学院大学総合リハビリテーション学部 作業療法学専攻
2神戸大学大学院医学研究科精神医学分野
1School of Rehabilitation, Kobegakuin University, Kobe, Japan
キーワード:
Pseudodementia
,
Mood disorders
,
Cognitive disorders
,
Ganser's syndrome
Keyword:
Pseudodementia
,
Mood disorders
,
Cognitive disorders
,
Ganser's syndrome
pp.402-404
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101849
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はじめに
仮性痴呆(認知症)pseudodementiaとは認知症に類似した臨床像で,器質的疾患で引き起こされたものではないものをいう。うつ病に最も多くみられることから,うつ病性仮性痴呆(認知症)が最もよく知られていた。同時にガンザー症候群(Ganser's syndrome)も仮性痴呆(認知症)としてよく知られていたが,近年はまれとなり,また人口の高齢化から認知症が関心を集めていることもあって,今では仮性痴呆(認知症)といえば(うつ病性)仮性認知症を意味することが多い。
本項では最初にGanser症候群について簡単に紹介し,次いでうつ病性仮性痴呆(認知症)について述べ,最後に,最近のうつ病性障害と認知症の関連性について触れてみる。なお,歴史的には仮性痴呆といわれてきたが,2004年の厚生労働省の通達以来,痴呆は認知症と置き換えられ,認知症という言葉は仮性認知症を含め定着している。そこでこれ以降は,仮性認知症という言葉を使うこととする。
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