特集 患者の問題?看護婦の問題!—「心理的ナーシング」とは何か
[事例2]痴呆と仮性痴呆を見極める
春日 武彦
1
1大富士病院精神科
pp.451-454
発行日 1990年5月1日
Published Date 1990/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900118
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激しい身体衰弱で入院したUさん
〈患者〉 Uさん,72歳,主婦.5人の子供を育て上げ,現在は,製紙工場へ勤める長男夫婦と同居,嫁や孫とも仲良く暮らしている.趣味は特にない.せいぜい団体旅行に参加するくらいである.
夫とはUさんが64歳の時に死別(卒中)したがその時は格別取り乱すこともなく,気丈に対処していたという.頑張り屋で,弱音を吐くことは恥ずかしいことだと考えるような性格で,その一方でお祭りの寄付が自分の家だけ少なすぎたらどうしようかなどといったことを,くよくよ気にするような小心な面もあった.
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