Japanese
English
展望
DSM-5の動向
The Draft of DSM-5:Its overview and potential issues
松本 ちひろ
1
,
丸田 敏雅
1
,
飯森 眞喜雄
1
Chihiro MATSUMOTO
1
,
Toshimasa MARUTA
1
,
Makio IIMORI
1
1東京医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
DSM-5
,
Classification
,
Diagnosis
Keyword:
DSM-5
,
Classification
,
Diagnosis
pp.634-645
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101655
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はじめに
2010年2月9日,ウェブ上においてDSM-5草案の公開が始まった1)。これはDSM-5実行委員会によれば,情報公開の点から「非常に画期的」なことであり,実際に完成前の段階で草案を公開し,またそれについてあらゆる層からの意見を求める姿勢はこれまでのDSM作成プロセスとは一線を画すものである。Wall Street Journal,New York Times,Washington Postなどの有力紙もこの流れに注目しており,大きく取り上げている。
わが国においてDSMは,行政や保険業務,疾病統計などではICDを使用することになっているため公的には用いられていないものの,精神医学と心理学の領域では臨床および研究における診断分類システムとして広く使われているため,DSM-5のもたらす影響は決して小さなものではない。今回の草案は日本語版では提供されていないため,本稿ではその概要を今後検討すべき課題と絡めて紹介してみたい。
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