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特集 「緩和ケアチーム」―精神科医に期待すること,精神科医ができること
埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科の取り組み―看護師の立場から
The Role of Psychiatrist in the Palliative Care Team, from a Nurse's Point of View
塩井 厚子
1
Atsuko SHIOI
1
1埼玉医科大学国際医療センター看護部
1Department of Nursing, Saitama Medical University International Medical Center, Hidaka, Japan
キーワード:
Palliative care team
,
Psychiatrist
,
Psycho-oncologist
,
Stress
,
Support
Keyword:
Palliative care team
,
Psychiatrist
,
Psycho-oncologist
,
Stress
,
Support
pp.955-957
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101066
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はじめに
がん患者の精神症状は,患者のみならず家族をも苦しめ,適切な治療を受ける権利,コミュニケーション,安全を阻害し,QOLを著しく低下させる。また,看護師にとっても,転倒,転落,自殺企図,ライン抜去などの事故防止にかかる労力の増大,不十分なコミュニケーション,ケアの困難さなど,かかってくるストレスは大きい。しかし,臨床の場では,がん患者の精神症状について適切に診断,治療,ケアが行われているとは言い難い現状がある。
たとえば,「ちょっと変だが,入院した時からあんな感じなので特に変わりない」,「何度病気について説明しても,治療を受けようとしない。やる気があるのかしら」,「終末期で病状が進んできているし,あまり話したがらないのは仕方がない」などという医療者の言葉を耳にすることがある。そのように考えられ,異常なしと判断されてきた患者の中に,実は,せん妄やうつ病などの病気が潜んでおり,精神科の診断,治療を必要としていた患者がいたのではないかと考えられる。
埼玉医科大学病院に精神腫瘍科が開設されたのは2006年4月で,精神腫瘍医は外来診療を開始すると同時に緩和ケアチームのメンバーとして,また臨床腫瘍科病棟の医療チームの一員として活動を開始した。筆者自身は緩和ケア認定看護師で所属は臨床腫瘍科病棟であるが,緩和ケアチームのメンバーでもある。今回はそのような立場から,緩和ケアチーム内の精神症状の緩和を担う医師に期待することを述べてみたい。
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