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特集 「緩和ケアチーム」―精神科医に期待すること,精神科医ができること
精神科医の立場から
The Role of a Psychiatrist in a Palliative Care Team
明智 龍男
1
Tatsuo AKECHI
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野
1Department of Psychiatry and Cognitive-Behavioral Medicine, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya, Japan
キーワード:
Psycho-oncology
,
Palliative care team
,
Consultation
Keyword:
Psycho-oncology
,
Palliative care team
,
Consultation
pp.907-913
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101057
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はじめに
2002年に,精神科医の参加を必須とする「緩和ケアチーム」に対しての緩和ケア診療加算が導入された。心のケアを担当する精神科医を緩和ケアチームの構成上の必須条件とする試みは,世界でも類をみないものである。これを受けて,わが国においても次第に緩和ケアチームを院内に設置する施設が増加し,また国内の多くの施設から緩和ケアチームに精神科医の参画を求める声が上がっている。一方,通常のコンサルテーション・リエゾン精神医療からも,一歩踏み込んだ形ともいえる緩和ケアチームでの具体的な活動の方法や担うべき役割に困惑を覚える精神科医も少なくないことも耳にする。それでは,緩和ケアチームにおける精神科医の役割,あるいは精神科医だからこそ提供できるケアとは具体的にどのようなものなのであろうか?
筆者は,これまで地域の中核的な総合病院,都市圏のがん専門病院における勤務を経験した後,現在は大学病院でコンサルテーション・リエゾン精神医療,なかでもサイコオンコロジーを中心に臨床業務に携わっている。本稿では,筆者のこれまでの経験をもとに,がん医療の中で精神科医ならではの能力を活かすことのできるやや専門性の高い役割を中心に紹介させていただいた。筆者個人の経験に依拠する部分が多いため,やや偏った内容であることをご容赦いただきたい。
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