書評
医学と哲学の対話―生-病-死をめぐる21世紀へのコンテクスト
原田 憲一
1
1武田病院
pp.217
発行日 2006年2月15日
Published Date 2006/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100221
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精神科医は精神医学(たとえば人間学的精神病理学)と哲学の関係がいかに密接かをよく知っている。しかし,生物学的精神医学ましてや身体医学ないし医学一般と哲学の結びつきを十分に認識してはいないだろう。
本書の原題は「20世紀における哲学と医学の間の内的結びつき」。科学史,医学史に精通した哲学者DV Engelhardtと精神医学専門医でもある著名な医学史家H Schippergesの共著。5つの章から成る。序章に続いて「哲学と社会哲学における医学」の章で,「哲学がいかに医学を論じているか」を医学史家が書く。次の章「医学と医学的人間学における哲学」で,「医学の中にいかに哲学があるか」を哲学者が説く。第4章は「医学の理論と方法論」,そして終章は「結果と期待」。哲学者と医学者によるこのような共同作業は,本書が掲げる課題を解くのに最上の構想となっている。
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